日本人成人の90％以上は、帯状疱疹の原因となるウイルスが体内に潜んでいます。そして80歳までに約３人に１人が帯状疱疹になると言われています。

加齢や疲労ストレスなどによる免疫機能の低下が発症の原因です。特に50歳代から発症率が高くなります。また糖尿病やガンなどの免疫機能が低下する病気が原因になることもあります。

神経が損傷されることで皮膚の症状が治った後も痛みが残ることがあり、3か月以上痛みが続くものを帯状疱疹後神経痛（PHN）と呼びます。
PHNの痛みは「刺すような痛み」や「焼けるような痛み」と表現され、数年にわたって痛みが改善されないことがあります。

50歳以上で帯状疱疹を発症した人のうち、約２割がPHNになると言われています。特に高齢者ではリスクが高く、PHNを防ぐためにも帯状疱疹の予防が大切になります。

帯状疱疹は頭部から顔面に症状がでることもあり、目や耳の神経が障害されると、めまいや耳鳴りといった合併症がみられます。さらに重症化すると視力低下や失明、顔面神経麻痺など、重い後遺症が残る可能性があります。

帯状疱疹の治療には抗ウイルス薬などによる治療を行います。発症初期に治療を開始するほど効果が期待できます。

帯状疱疹は、ワクチンで予防できます。予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、たとえ発症しても症状が軽くすむという報告があります。